RDS for Oracle Database
Amazon Web Services で、RDS for Oracle Databaseが始まった。
RDS for Oracle とは
RDS (Relational Database Service) は、Amazon Web Service の一つで、リレーショナルデータベースを提供してくれるもの。要するにEC2のインスタンス上でDBを動かしてくれるサービスなのだけど、バックアップや、複製によるHA化、読み出し複製による広帯域化などをサポートしてくれている。これをもちいることで、運用コストを大きく減らすことができる。
これまでRDSでは、オープンソースのRDBであるMySQLを用いていた。今回のアナウンスはMySQLに加えて、RDSでOracle 11g をサポートするというおはなし。
ライセンスは?
Oracle は高性能で有名であるのと同時に,むちゃくちゃ高いライセンス料でも知られている。今回のRDSでは2つの方法でライセンスを利用することができる。ひとつは、「ライセンス付き」のインスタンスを使う方法。もう一つは「Bring-Your-Own-License」モデル。
「ライセンス付き」は、これまでWindowsなどが取っていたのと同じ方法。時間あたりの利用料金が若干高額になるかわりに、初期投資をおさえることができる。
「Bring-Your-Own-License」モデルは、すでにOracleライセンスを買って持っているユーザが、そのライセンスでRDSを実行すると言うモデル。「ライセンス付き」よりは時間単価が安くなる。
じつは、ライセンス持ち込みは以前から可能だったのだが、RDSでは管理までAWS側が面倒を見てくれるとのこと。
ちなみにこの、「Bring-Your-Own-License」は、パーティーなどで「飲み物は持参ね」を意味する「Bring-Your-Own-Bottle」から来てるんだろうな。
機能
基本的に機能はMySQL版のRDSとあまり変わらないようだ。ただ、現在のところマルチAZの複製(複数のAvailability Zoneにまたがって同期的に複製を作成しておいて、フェイルオーバーする機能)はサポートされていないらしい。近いうちに実装される予定らしい。
価格
値段は、こんな感じ。MySQLとOracleのBYOLは同価格で、素のEC2の30パーセント増し程度。ライセンス込みだと70パーセント増し程度。ライセンス料は40パーセントぐらい、と言っていいか。ちなみにwindows のライセンス量は20% -25% 程度。さすがOracle。
サイズ | ライセンス入り | BYOL | MySQL | windows | 素のEC2 | |
---|---|---|---|---|---|---|
S | $0.16 | $0.11 | $0.11 | $0.12 | $0.085 | |
L | $0.64 | $0.44 | $0.44 | $0.48 | $0.34 | |
XL | N/A | N/A | $0.88 | $0.96 | $0.68 | |
XL hi.mem | $0.85 | $0.65 | $0.65 | $0.62 | $0.50 | |
XXL hi.mem | $1.70 | $1.30 | $1.30 | $1.24 | $1.00 | |
XXXXL hi.mem | $3.40 | $2.60 | $2.60 | $2.48 | $2.00 |
所感
以前から予告されていたものなので、まあ順当といったところだが、インパクトはかなり大きいような。