App Engine 価格体系変更

Google I/O でいろいろアナウンスがあったようだが、1.5よりもこっちのほうが衝撃だったのでこっちを先に書いておこう。The Year Ahead for Google App Engine!と言う記事であらたな価格体系の導入がうたわれている。

これまではどうだったか

これまでは、さまざまな資源に無料クォータが設定されており、それを超えた部分にのみ課金されていた。つまりアプリケーションに課金を設定したとしても、無料クォータの範囲に収まっている限りまったく課金はされなかった。

また課金は基本的にCPU使用時間に対して行われていた。

あらたな課金体系

新しい課金体系のポイントは以下の3点。

  • 有料アプリに基本料金が導入
  • インスタンス時と言う概念の導入
  • 無料クォータが削減

まず、有料アプリケーションに対して9ドルの月額基本料金が設定された。実際の利用が無料クォータに収まっていたとしても、この基本料は取られてしまう。

また、課金は「インスタンス時間」に対して行われることになった。インスタンスの数と生存時間を欠けたもので、1インスタンス時間あたり0.08ドルとのこと。SDK 1.5.0でインスタンスをたてっぱなしにすることのできる「バックエンド」機能が提供されたが、これまでの課金体系だとsleepしている間資源をを占有しつつ全く課金の対象にならないような使い方が可能になる。これに対応するために、このような課金を導入したのだろう。

また、API呼び出しが課金の対象となり、無料クォータが愕然とするほど小さく設定されている。こちらに表が載っているが、たとえばDatastore API は1日あたり50k 回分しか利用できない。課金は10k回で1セントなので、無料クォータはわずか5セント分と言うことになる。これは相当厳しいしばりだ。

High Replication Datastore

これまでHigh Replication Datastore はMaster -slaveに比べて無料クォータが半分(0.5G vs 1G)で、課金は3倍($0.15/G vs $0.45/G)だったが、こちらがデフォルトになるのに伴って、無料クォータは1Gに、課金は$0.24/G になった。これはすばらしい。

所感

無料クォータを超えた分のpay as you go課金は相変わらず安いが、有料アプリケーションの月9ドルは正直高すぎると思う。まあ、真剣につかうなら9ドルぐらい安いものだろうけど。遊びなんだけど無料クォータだとちょっと入りきらない、というアプリは結構あるんじゃないだろうか。そういうのを念のため課金設定しておいて、だらだら運用できるのもGoogle App Engineの魅力だったんだけど。

あと、課金設定しているけど今のところ実際には全く課金されていないアプリを持ってるのだけど、これも月9ドルかかるようになっちゃうのかな。新しい課金体系が有効になる前に設定を切るのを忘れないようにしないと。