ホワイトクラウド

先日クラウドExpoでホワイトクラウドの資料をもらってきたのでまとめておこう。Web上ではオプションなどの値段が明らかになっていないのようなので。

ホワイトクラウドとは

ソフトバンクテレコムの提供するIaaS。ソフトバンク的にはシェアードHaaSと呼んでいる。6月からサービス申し込み開始予定。申し込み直後から利用できるようになるらしい。そのへんはちゃんとしている。単位は月ごと。時間単位では借りられない。

プラン

プランはスタンダードとプレミアムに分かれている。スタンダードは資源が決めうちになっているがプレミアムは細かい単位で資源を追加して設定する事ができる。プレミアムはさらにCPU保証型と、ベストエフォート型に分かれる。CPU資源の追加で金を取っておいて、CPUがベストエフォートというのは、心底理解しがたいところだが、内部的には何らかの保証があるのだろうと思いたい。

スタンダードプランのお値段

ホワイトクラウドのすごいところは、その値付け方法。
スタンダードプランの、CPU1コア、メモリ1G、ディスク100GBの
仮想サーバがなんと月4,725円!

これは、EC2と比較しても安い。1ドル92円で計算しても、最安の東海岸よりも安く、日本に地理的に近い西海岸と比べるとさらに差が開く。

東海岸  0.085 * 24 * 31 * 92 = 5818 円
西海岸  0.095 * 24 * 31 * 92 = 6503 円

やるじゃんソフトバンク!と思ってはいけない。驚くべき事に値段表にはオプションがあるのだ。

管理ポータル   2,100円/月
IPアドレス     1,575円/月
ロードバランサ 1,050円/月
バックアップ   2,100円/月

管理ポータルは、仮想サーバの上げ下げなどの機能を提供するもの。これがなければ仮想サーバは使えない。さらにすごいのは次のIPアドレス。正直初め見たとき意味がわからなかったが、このオプションをつけないと、仮想サーバに、グローバル、プライベートともアドレスが振られないのだそうだ。

要するに、見かけ上値段を安く見せるために、ついてなければ使えないモノをオプションとして切り離している、というわけ。管理ポータルとIPアドレスを付け加えると、実質8,400円ということになりEC2よりも大分たかい。まあ、比較してもしょうがないのだが。

レイテンシ

もう一つ面白いのは「米国の某社」との比較で、米国だとネットワークレイテンシが200msだけど、 ホワイトクラウドなら「0ms」ですよ、という表。いや、どう考えても0msってことはないでしょ。差別化したいのはわかるけどあまりに子供だましだ。

所感

携帯電話のXXXプランと同じ発想の値付けなんだろう。でも、顧客層を考えて欲しい。あいては中学生じゃないんだから、こんなトリックに引っかかるバカはいない。逆にバカにされるだけだ。

そもそもEC2には、reserved instanceとspot instanceというもっと安く使う方法がある。小細工しても勝てない。そんなこと考えるよりも本質的な差別化を図るべきだろう。

年内にはEC2のデータセンターが日本に上陸すると言う話しもある。当然本腰をいれて日本語でのサポートをすることになるだろう。そのときにユーザにホワイトクラウドを使う理由が何か残るんだろうか?