Googleクラウドの核心

  • ルイス・アンドレ・バロッソ、ウルス・ヘルツ 著

日経BP中田さまからいただいた。ありがとうございます。

ながらく待望されていた、Datacenter as a Computer: An Introduction to the Design of Warehouse-Scale Machinesの翻訳。原著はWeb上にPDFがあり、ただで読めるのだけど、こうして誰でも読める日本語訳になったのはすばらしい。原著が108ページなのに、翻訳が150ページ近いのはちょっと納得いかないけど(^_^;)。

ざっくり書くと、Googleのように計算機を極端にたくさん並べるとそこに質的な変化が生じる、従来の計算機の集合として従来の手法の延長線上で考えるのではなく、全く新しい種類の「計算機」として新しい手法で対処しなければならない、というのが本書の主旨。こう書いてしまうと、当たり前のことのようにも聞こえるけど、様々なGoogleならではのリアルなデータで裏打ちされているので説得力がある。消費電力に関する議論は特に印象的。これもリアルデータに基づいていて刺激的。


監修は、クラウド研究会の丸山先生、首藤さん、浦山さん。内容はしっかりしているのだけど、ぱっとああたまに入ってこないような、日本語として練れていない部分があるのはちょっと残念。やっぱり翻訳って難しいな。

関係ないけど、著者の一人Urs Hölzle は、1990年代にSelfというSmalltalk風のJavaScriptっぽい言語の動的最適化、脱最適化でぶいぶい言わせていた研究者。頭のいい人はなにをやらせてもスゴイな。

Googleクラウドの核心
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