情報科学のための自然言語学入門

畠山雄二

期待していたものとはまったく違った.生成文法帰納的に求めていく過程が,著者のいう「科学的」に,書かれているだけ.どこがどう「情報科学のための」なのか?導かれた文法も,「すごく奇麗に一般化できたんですよ,ここまで一般化しちゃうと使い道は無いんですけどね」的なものに見えるが...

この本は,自然言語が主題なのではなく,自然言語を題材に「科学」を語っているのだろう.ただ,科学の対象として,自然言語はあまり向いていないので,説得力が全然ない.企画自体に無理がある.「科学」の捉え方もかなりプリミティブで,ちょっとどうかと思う.

あと,文中の図の繰り返しが異様に多くうんざり.ページ数稼ぎ?